「買掛金」とは、商品の仕入をする際に後払いするもの、簿記の表記上では「負債」に該当します。
買掛金は簿記の中でも基本中の基本であり、簿記3級や簿記2級【特に工業】テストではどの受験にも必ず出てくることから必須に覚えておきたい単語の一つといえます。
なお、買掛金には似たような計上する戡定項目による明確な区別もあるほかに、電子債権化することもあり、変換するものが非常に多いのできちんと理解をしていく必要があります。
概要
勘定科目の名前 | 買掛金(かいかけきん) |
表示する場所 | 流動性負債 |
計上時期 | |
注意点 | 営業外の未払いは未払金で計上すること。 |
試験レベル(日商簿記) | 初級/3 |
勘定使用難易度 | 簡単 |
試験重要度 | 最優先 |
実際重要度 | 非常に重要 |
備考 |
買掛金の記載ルール


「買掛金」は「負債」
買掛金は貸借対照表の「負債」に所属します。
このため、仕訳をする場合「借方」に入れる場合「減り」、逆に「貸方」に入れる場合は「増え」ます。
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
買掛金 | 100,000 |
買掛金は未払金の商品版!
買掛金は未払金の営業版といってもいいでしょう。
基本的に商品の仕入や、2級の工業だったら材料と必ず一緒に関与されます。
一方で未払金は様々なところがありますが、一般的には「備品」や「土地」など営業以外で支払うための負債というものに使われます。
買掛金と売掛金との違い
売掛金との違いは売掛金は「売上」したときの後貰いに対して、買掛金はクレジットカードと同じように後から口座の引き落とし、もしくは自分で現金を送ったりします。
売掛金と違い、買掛金は「クレジット買掛金」は存在しない
売掛金にはクレジットカード向けに「クレジット売掛金」というのを存在しますが、逆のクレジット買掛金というのは戡定項目には存在しません。
その理由としてはクレジットカードの手数料に理由があり、クレジットカードを売り上げる際に新販会社に対して数%の割合で売上から引き落とされているためです。
そのため買う側にはなにも引き落としがないため手数料などの細かい仕訳はしなくてもいいからです。
買掛金に関連する単語
買掛金に関連する単語は以下のとおりです
「売掛金」…買掛金と同様商品の支払いを後払い形式だが、反対に貰う方
「仕入」…販売用の物を輸入するための経費
「材料」…製造のために必要な経費※簿記2級
「普通預金」「当座預金」…後払いなので引き落としなどに使用する
「発送費」…発送に関する経費、送料別料金ではよく使われる
「未払金」…営業外の後払いする負債
基本1:仕入と買掛金
問題:にゃもも商店はX企業から、GPU1個辺り300,000円を1つ仕入れ、代金は掛けとした
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
仕入 | 300,000 | 買掛金 | 300,000 |
まず、仕組みとしては今回は輸入なので経費がかかっているので資産を減らす考えしなくてはなりません。
経費として借方に仕入は300,000と記載し、そして反対に負債を増やすことで貸方に買掛金を300,000を書きます。
基本2:複数の組み合わせ
普通預金引き落としと買掛金の組み合わせ
問題:にゃもも商店はX企業から、X GPU【税込価格:300,000円】を2つと V GPU【税込価格:200000円】を1つ仕入たが、そのうち V GPUの分は普通口座で引き落とし、残りのX GPU分は掛けとした。
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
仕入 | 800,000 | 買掛金 | 600,000 |
普通預金 | 200,000 |
基本3:引き落とし
買掛金は負債なので、かならずどこかで引き落としや支払いをしなくてはなりません。
例えを言うとクレジットカードのように翌月引き落としをしているようなもんです。



クレジットカードとかはきちんと支払わないと使える権利が失いブラックリスト化してしまうからここはちゃんと気をつけないと!
買掛金も同じように払わないと購入お断りとか最悪盗難という犯罪になっちゃう!だから同じように払おうね!
普通預金の場合
仕入で掛けで購入した¥400,000が本日支払期日が来たため、普通預金から引き落としされる。
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
買掛金 | 400,000 | 普通預金 | 400,000 |
当座預金の場合
当座預金は普通預金と異なり大口注文(100万円以上)をする際に
仕入で掛けで購入した¥2,000,000が本日支払期日がきたため、当座預金から引き落としされる
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
買掛金 | 2,000,000 | 当座預金 | 2,000,000 |
普通口座と同じように買掛金が借方で、当座預金に貸方に記載します。
応用1:ビジネスカードで支払う
X GPU【税込価格:300,000】を10個購入し、支払いはビジネスカードで決済を行った。
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
仕入 | 3,000,000 | 買掛金 | 3,000,000 |
これは普通の買掛金と同じように行えば大丈夫です。
ビジネスカードというのは日本語に直すと「法人カード」で、これもクレジットカードの一種です。
先程「クレジットカード」にはクレジット買掛金は存在しないので、そのまま買掛金に記載します。
試験問題にはでてくることはあまりなさそうですが、覚えておくと損はないと思います。
応用2:不良品で返却
仕入をした際、こんなことありませんか?
- 食べ物にはじめからカビが生えていた
- 部品が壊れていた
- 違うものが送られてきた



ああ!まーたイヤホンの色違いが来たよ!
黒じゃなくてピンクを頼んだのに!
など、様々な理由による返品を行わなくてはなりません。
そこでこのように仕訳します。
例えば…
問題:販売用に仕入れたゲーム機(税込価格:65000)が部品抜けがあることが判明したため、先週に仕入れた100機分すべてをメーカーへ返品することにした。
借方 | 価格 | 貸方 | 価格 |
---|---|---|---|
買掛金 | 6,500,000 | 仕入 | 6,500,000 |
この場合、仕入と買掛金を逆に仕訳を行います。
貸方に仕入、これは仕入をしたことをなかったことにし、それに伴って本来の支払予定だった借方の買掛金は負債をなくす仕組みに。
応用3【簿記2級】:連結会計による削除
連結会計上では企業グループ一体になるため、同じグループ同士では売上や費用などを削除をしていく必要があります。
そのうちのグループ同士でも商品売買をやりとりすることはよくあることで売掛金や買掛金といったものも連結会計上では削除をしなくてはならないため修正を行う必要があります。
- P社の売掛金は¥400,000ほど存在するがそのうち、¥80,000がS社のものであり連結修正を行う。
-
借方 価格 貸方 価格 買掛金(負債-) ¥80,000 売掛金(資産-) ¥80,000 会計上、グループでは同じ組織扱いになるので買掛金と売掛金を逆仕訳にして削除します。
買掛金はせどりやオリジナルグッズはよく使う
買掛金での副業に、せどりやオリジナルグッズでよく使いますので、それらの方は基本的に買掛金の仕組みをかならず覚えておきたいです。
ただ、最近はオリジナルグッズの方にはBOOTH+pixivファクトリーをはじめとしたものは予め大量製造ストックなどをせず、注文しただけ製造する方式になっていることが多く、発送もすべてBOOTHから行っているため、仕入発送がそもそもなかったりするケースが多くなってます。



ただし、自宅から発送することもできるのでこの場合は仕入や買掛金の出番があるよ❣
まとめ
買掛金はどういったものなのか?
- 未払金の商品版!
- クレジットカードや銀行振込など関係なしに仕入や材料の後払いはすべて買掛金
- 試験問題に出てないが今後ビジネスカードやQR決済にも買掛金が絡む場合がある
- BOOTHやBASEなども意外と使われることが多い
など、商品の仕入などによく使われるためぜひとも覚えておきましょう。
コメント