「商品有高帳」とは、所持している商品の原価に関する詳細や特定の商品ごとに仕入在庫を確認する補助簿です。
主に商品が仕入や売上の発生に商品の原価について記載します。
なお、当ページでは簿記3級編として「先入先出法」と「移動平均法」の2つの方式があり、今回はそちらを記載します。
2級で習う商品評価損や卸棚減耗損、仕入戻などは別に記載します。
概要
補助簿の名前 | 商品有高帳 |
英語 | Products with high bill |
計上時期 | 商品の仕入、売上、売上戻し、返品発生 卸棚減耗や商品評価損時 |
注意点 | 各自商品ごとに分別する必要がある。 先入先出法と移動平均法の2つの方式有り |
試験レベル(日商簿記) | 初級 |
使用難易度 | 難しい |
試験重要度 | 低い |
実際重要度 | 非常に重要 |
備考 |
商品有高帳の記載ルール
先入先出法

先入先出法は先に仕入れた古い商品から先に売れた商品を売れたと仮定して顧客に売り渡した、商品の原価を求める方式。
特徴として仕入れた原価を別々の場合、その残高にそれぞれ仕入れたものを一緒にせずに別々に計上されている点が特徴で、その証拠としてカッコがくくらせています。
例えば4月1日に残っていた在庫が商品が¥3,000で仕入れたのが3個あったが、その次に次に仕入れた4月3日は5個分ほど仕入れたが原材料費が値上がったため、¥4,500になりなっていた。
そのための区分と合算のため、カッコを入れてそれぞれ¥3,000仕入分が3個で@¥9,000、新たに仕入れた分5個@¥4,500が¥22,500それぞれ別々にして、その合算している証拠としてカッコを入れています。

先入先出法のメリット・デメリット
- 今残っている古い商品と新しい商品の仕入れた原価がわかるようになり、売上利益金額がどれくらいなのかすぐに判別ができる
- 計算の処理が比較的楽で平均計算をいちいちしなくて済む
- 仕入の現在の平均価格がわからなくなる
- 合算する場合カッコを付けなければいけない。
- 決算時、残っている繰越商品が計算しにくい
移動平均法

「移動平均法」は現在手元にある仕入れた商品の原価の平均を計算する方式です。
説明をするより実際の例をしつつを解説していきます。
「くろとのフィギュア」が先月の在庫が20個の在庫で平均@¥1,700があり、現在は¥34,000ほどです。
そして、翌日の2日に仕入で100個手に入れたが、単価が値上がっていてその価格は@¥1,800に。
その結果で¥180,000に原価は増えました。
なおここで一つ解説、この際に仕入れによる受入高は先入先出法とは変わりません。
一方で残高を記入する際、数量はこれまでのある在庫と合算、そして仕入れた合計金額も記載していきます。
そして移動平均法の最大の特徴となる現在の単価をこのように計算していきます。
在庫合計金額÷在庫数=1商品の平均単価。
そしてこの例だと(214000÷120=1783.333…)になります。

そして売上の際も、移動平均法では現在の残高の単価×数量=金額で計上していきます。

移動平均法のメリット・デメリット
- 決算時、繰越商品に計上する際今の残高金額がすぐに計算できて手間が少ない
- 残高の表がスマートになって枠が少なく管理がしやすい
- 仕入の金額が変動した際、毎回単価の計算をしなくてはいけない手間がかかる
- 古い商品と新しい商品が一緒の計算になるため古い商品が今どれくらい残っているか把握しにくい
仕入戻し・売上戻し
仕入や売上をする際、何らかの理由で返品を行う場合がよくあります。
そのため、返品を行った際には戻しの計上をしなくてはなりません。
仕入戻しや売上戻しの場合は逆の意味をしているため
仕入戻し=支出高、売上戻し=受入高にいれるようにしましょう。
そして方式により異なっており、先入先出法では古い商品が残っている場合は古いところに数字に計上します。
一方で移動平均法では現在の単価で計上していくようにします。
先入先出法

移動平均法

なお、今回掲載しているものは新品と一緒に処理をしていますが、店舗によっては返品と新品では別計上でしている場合があります。
この場合の返品では返品専用として商品有高帳に別区分しています。
商品有高帳に関連する単語
- 「売上」「売上帳」…商品を売ったときの利益、もしくは利益帳
- 「仕入」「仕入帳」…商品を買ったときの費用、もしくは費用帳
- 「売上原価」…商品有高帳と一番関連する勘定項目、売上の原価を意味する
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