定額法の固定資産の減価償却はどう計算するのか解説【簿記3級】

今回は「定額法」という減価償却を基づいた償却計算方式を解説していきます。

この定額法の方式では簿記3級の第3問に100%の確率で出てくる問題とされており、絶対に覚えておきたい知識です。

目次

概要

減価償却費の概要

減価償却費」とは、簿記の表記上では「経費」に該当、「一般管理費」としての区分され計上されます。

勘定科目の名前減価償却
表示する場所費用
計上時期減価償却費を計上時(決算期や売却時など)
注意点減価償却の方法はな内容や会社によって方式が異なる
消費税区分対象外
試験レベル(日商簿記) 3級
勘定使用難易度 普通
試験重要度 最優先
実際重要度 非常に重要
備考不動産投資やマイホーム、車を買う際に必須知識

〇〇減価償却累計額

「減価償却累計額」は簿記の表記上「資産」として扱いますが、他の普通預金や売掛金などでは増えるほどプラスの資産ですが「減価償却累計額」は増えるほどマイナス資産になる特徴があります。

勘定科目の名前建物減価償却累計額
備品減価償却累計額
表示する場所資産(マイナス資産)
計上時期決算期
注意点建物と備品は取得してからの計上
消費税区分対象外
試験レベル(日商簿記) 3級
勘定使用難易度 普通
試験重要度 最優先
実際重要度 非常に重要
備考不動産投資やマイホーム、車を買う際に必須知識
マイナス資産として扱う

減価償却費の記載ルール

減価償却費は経費

借方価格貸方価格
減価償却費

減価償却累計額はマイナス資産

借方価格貸方価格
建物減価償却累計額
備品減価償却累計額

定額法とは…

定額法は取得金額から耐用年数を割り出して一定に減価償却をしていく計算方式です。
特徴として建物や備品などの資産表記はそのまま変わらないものの、減価償却累計額によって引き算をしていくものです。

また、定額法の特徴として同じ価格で引くことができる点でしょう。
車両などの場合は走行距離により減価償却が変動しますが、建物などは劣化するスピードが早くならないので変動ではなく定額法に適しています。

定額法の減価償却累計額の計算方法

減価償却累計額はどこにも所属しない無属性の勘定項目ですが
役割として、取得した固定資産を価値を下げた分の合計額を意味します。

このため決算期では基本的に「取得資産-当期減価償却-減価償却累計額=現在の資産価値」という認識で覚えておけばOKです。

しかし、簿記では精算表や試算表では答えが違ってきます。
まず、共通の例を挙げていきますと

決算日:3月31日

建物の取得資産:¥9,000,000、備品の取得資産:¥320,000

  • 建物:残存価値ゼロ、耐用年数30年
  • 備品:残存価値ゼロ、耐用年数4年
    ※備品は4月に購入

精算書で書き換える場合は減価償却累計額の記載場所は貸方になります。
また、精算表に書く場合の減価償却累計額は固定資産から減価償却のしたぶんを計算せず別枠として扱います。

にゃもも

減価償却累計額はマイナス資産!
つまりは額が多いほどお金が減ることを意味する。

定額法の精算表の例

定額法の減価償却(精算表の場合)

定額法に基づく精算表に記載をしていく場合は建物と備品では基本的に売却や購入などを除けば価格変動はありません

このため貸借対照表の欄にそれぞれ、建物:¥9,000,000、備品:¥320,000と記載します。
一方で減価償却は計上することには代わりありません。

そのためそれぞれの固定資産とは別枠で数字を入れて計上していきます。
なお、マイナス資産という名目なので「貸方」に記載します。

  • 建物:残存価値ゼロ、耐用年数30年
  • 備品:残存価値ゼロ、耐用年数4年

なお、残高試算表をよく見ると、建物はすでに¥4,200,000が減価償却されていますが、備品には減価償却はされていません。

しかし今回の例では備品は4月購入、決算期が3月のため、1年で計上します。

定額法の減価償却(精算表の場合)残高試算表と修正記入拡大

建物は残存価値ゼロ、耐用年数30年なのでこのように計算して、建物減価償却累計額の修正記入の貸方に¥300,000を記載します。

備品も同じように、残存価値ゼロ、耐用年数4年なので、備品減価償却累計額の修正記入の貸方に¥80,000を記載します。

そして建物と備品の減価償却が終わったので、費用となる減価償却費に修正記入に借方で¥380,000を記載します。

定額法の財務諸表の例

一方で本番となる財務諸表ではその取得した固定資産からこれまでの減価償却累計額を現在の価値はどれくらいになるか引き算して計上する必要があります。

なお、減価償却における計算は同じですが、貸借対照表に記載するものでは金額が異なります。

定額法の減価償却(財務諸表の場合)

精算表では固定資産と減価償却累計額が別々に計上されていましたが、財務諸表では人に見せる書類なので正確な金額に表示していく必要があります。

そのため問題として精算表の減価償却に加えて

更に「固定資産-今期までの減価償却累計額=現在の価値」までやる必要があります。

最終的な合計金額であながち間違いやすい点

あらゆる計算処理を終わった際によく間違える部分が合計金額を計算する際にうっかりと取得した資産に計上してしまうこと。

定額法の減価償却の貸借対照表における計上でよく間違えるところ

これは間違いです、ただしくは累計額から差し引いた残りの金額にいれます。

減価償却累計額の精算書と財務諸表との違い

  • 精算表は貸方に、財務諸表(貸借対照表)に記載する場合は借方。
  • 精算表は固定資産の減価償却の引き算しない、財務諸表は引き算して残った価格に計上する。

定額法の注意点

定額法で減価償却を計算する際にいくつか注意点をして行う必要があります。

今年度購入した際は月割になるので注意しよう

建物や備品を今年中に買ったということがあります。
定額法では使用始めた日から決算期まで差し引く必要があるので基本的に月割として計上していきます。

1年は12ヶ月なので、これまでの減価償却の計算に加えて÷12を増やしていく必要があります。

取得資産÷耐用年数÷12=1ヶ月分の減価償却の金額

また、買った日が12日とか23日とかなどで月の途中で使用を開始するケースが多いでしょう。
しかし、これらの場合は基本的に1ヶ月切り上げで計上します。

例(決算期が3月)
  • 今年の1月13日に購入→1月1日からの計上扱い
  • 今年の3月20日購入→3月1日からの計上扱い

残存価値は割合の場合は逆計算する

残存価値がゼロというケースで記載しましたが、残存価値がゼロじゃない場合があります。
基本的に残存価値は割合になるか、価格が引かれるかで変わっていきます

残存価値が割合表示がある場合

  • 残存価値:10%→その記載している取得金額の90%で計算
  • 残存価値:50%→その記載している取得金額の50%で計算

10%の場合

資産取得価格×90%=計上対象の残存価値

計上対象の残存価値÷耐用年数「÷12※月割の必要の場合」=減価償却

減価償却が終わった資産は減価償却の計算しない

減価償却が終わった資産は計算から対象が外れ、全資産から計上対象外を引き算して処理します。

全固定資産-減価償却終了済みの取得資産=減価償却対象資産


それぞれの資産がどれくらい残っているかは固定資産台帳で確認ができます。

固定資産の減価償却が終わった後は1円の残る

固定資産で最後の償却をするとき存在を証明するため、1円だけ残して行くケースがあります。

備品の減価償却が¥20,000だった、なお、今回で減価償却が終わるため1円だけ残して計算する。

借方価格貸方価格
減価償却費19,999減価償却累計額19,999

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